下高井戸シネマる

posted in 03:15 May 08, 2006 by 



高井戸の駅のホームで『歓びを歌にのせて』のポスターを見つけた。
妹がBunkamuraへ観に行き、大絶賛だったので覚えてて、でももーすでに終わっちゃってると思ったら!下高井戸シネマえらい!早速友達と観に行った。
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2004年にスウェーデンで製作された作品で、監督はケイ・ポラックという人。
このひとの監督作品ははじめて見る。18年振りのカムバック作品だそうな。
いや~、さすが18年溜め込んでただけあって裏切りませんでしたね~。
いい!今年のmonaka上位にランクイン。

これから観るひとの為に、簡単にあらすじを説明すると・・・

ダニエル(主人公)という男が、指揮者として世界的に成功を収めるも、過密なスケジュールに心身共に疲れ果て、すべてを捨てて少年時代を過ごした田舎の小さな村に移り住む。静かな余生を送るつもりが、是非にと請われて村の聖歌隊を指導をすることになる。そこでのひとたちとの出逢いから、ダニエルは改めて自分のつくりたい音楽を目指すようになる。

と・・・、こー書くとよくあるフツーのヒューマン映画ぽいんですけど

その小さなコミュニティーには、いじめ、暴力、嫉妬、歪んだ禁欲的幻想が密かに内在してて、日々の暮らしの積み重ねで本人たちも自覚がないほど傷が深まってて、そのもととなるものが、なんでも「罪」と拘束する「キリスト教」であり、「教会」の力だったわけ。
でも、ダニエルが音楽を通して関わるうちにどんどん人々が精神的に解放されてくの。

一番興味深かったのは、ダニエルが聖歌隊の老若男女に指導する際、まず歌を歌うことから始めるんではなく、横隔膜をほぐすような動きをしたり、呼吸の調整したりしていたこと。
四角四面の西欧風レッスンとは違って、まさにダンスみたく“肉体的ワークショップ”だったことが面白い。
ある時“聴く”ということに重点をおき、全員を床に寝かせ、隣に寝てるの人のお腹の上に自分の頭をのせ、自分のお腹の上にまた別のひとの頭をのせ数珠つなぎのように繋げていく。この行為、実は私も昔NYの舞踊家のワークショップでおんなじことをやったんだけど、ほんとに面白い。相手のお腹の小さな音から呼吸までがすごく聴こえる。ただ聴こえるだけじゃないく、かならず誰かが笑い出しそれが連鎖し笑いによって一体感がうまれる隠れた秘密もある。
わたしも時々、ダンスの幼児クラスで子供に元気がないとき必ずこれをやる。触れあうことを恥ずかしがるので最初は照れた笑いがおきるが、少しずつ電気を暗くして集中させていくと、笑いの種類が変化していくの。(恋人とか家族とかオフィス仲間でやったらかなり関係がよくなるかも!!?)


集会場でダニエルが言った印象的だったセリフ。


『心の集中点を探そう』

『なによりも大切なのはよく聴くことだ』

『すべての音楽はすでに存在している。常に我々の周囲を満たし、息づいている。後は我々がそれを聴きとって、つかみ取ればいいのだ。人は皆、自分の“声”(トーン)を持っている。その固有の“声”を探すんだ』


あとダニエルとレナ(聖歌隊のひとり)のラブシーンは号泣ものです。
セックスも“聴く”感じがした。
もー泣き過ぎて鼻水だかなんなんだかわかりませんでしたもん。
こーゆー幸せに満ちた泣きはいいもんです。
必見間違いなし!!!!!!




この記事へのコメント

1. Posted by hal   May 08, 2006 16:23
おららー!みたくなるねー
2. Posted by monaka   May 08, 2006 21:05
じゃーDVD買ったら、halの新居で上映会しよ~!!
あの壁に絶対スライドつけてね!!
3. Posted by お   May 10, 2006 02:07
リンクった。
4. Posted by monaka   May 11, 2006 00:47
ありがと~。こちらももリンクった!
5. Posted by hide   May 11, 2006 10:36
おひさし!僕もこれ観ましたよBunkamura で!
年齢層の高いカップルが多くて驚きました。
同じく一年分くらい泣いて帰りました~{悲しい}
6. Posted by monaka   May 13, 2006 00:01
お~!元気ぃ?
下高井戸は全然人いなかったよ。
私たち含めても10人満たない。
次は『寝ずの番』が観たい~。

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